旧友
1)電話が来た。古い友人からだ。もう40年も会ってないんじゃないか? お互い切れてしまう寸前だ。これで切れてしまえば、もうそれは、無かったことになってしまうかもしれない。もう、その寸前だ。
2)わずかに年賀状だけはやり取りしていた。それももう形ばかりのものになっていたに違いない。そもそも私は年賀状の断捨離を、先日やってしまったばかりだ。大事なものも、そうでないものも、すでに大量にシュレッターにかけた。
3)明日夕方、会うことになった。どこで、どんな話をするだろう。軽くハグして、近況を話し合って、あれこれ最近の出来事を話すだろう。そもそも、彼は私たちの結婚式の友人代表だ。そして私は彼の結婚式の司会を務めた。若い時は深い付き合いだった。
4)二人を大きく分けたとするなら、住んでいる地域であろう。大都会を好んで出て行った人間と、地方にそのまま留まった人間。そして彼らは子供を作らないことを宣言し、DINKSライフを謳歌したはずだ。私たちは子供を愛し、今や孫も5人いる。
5)お互いもう古希である。人生の終盤に差し掛かった。お互い再会し、今更いったい何を確かめ合おう、というのだろうか。私にすれば大都会のDINKSの暮らしとはどういうものか、という点。そして今、私が彼に言おうとするなら、関わっている市民ミュージカルのこと。町内会活動のこと。役員をしていること。仕事も、必要に迫られて、生涯現役を貫こうとしていること。まだ禿げていないこと。まだ白髪にもなってないこと。あれこれの友人達の噂話。
6)そして、てみやげに「存在の詩」でも持っていこうかな、とも思う。いやいや重すぎる。重量も想いも。まぁ軽くでいいだろう。会えばいい。会うだけでいい。楽しみだ。明日また出かける楽しみが増えた。
7) 古き友良き友と会う弾む春 把不住
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