レインマン
No.4646星5
1)レインマンを見た。ちょっと古い映画だ。携帯もなければ、ネットの匂いもしない。されど、最初のつかみで、車が出て来たのには、参った。一気に2時間の映画を見た。
2)ダスティ・ホフマン扮する、いわゆる自閉症と称される人と、カウンセラーの立場であったことがある。確かにあのような存在は確かにあるのだ。しかも、おそらく絶対数は決して少なくなかろう。
3)トム・クルーズ扮する、いわゆる冒険的若者にも、ビジネスマンとして、対峙した時がある。国柄の違いはあれ、若者の何割かは、あのような人生の軌跡を描く。あれはあれでいい。
4)されど、2時間のこの映画に、一気に引き込まれたのは何故だっただろうか。ひとつには、最初の最初から、最後に最後まで出てくる、古いオープンスポーツカーだろう。あの車のあるアメリカの風景が、魅力的であった。
5)そしてやっぱりダスティ・ホフマン扮する役柄の、不可解かつ深淵な人間というものの存在感であろう。どちらも、単立では単調なものとなる。その対比、その取り合わせの妙に、私は惹かれたのであろう。
6)そしてあのラスベガス。いかにもアメリカ的であり、また、幻影的である。オレゴンのコミューンを思った。ある意味、あの時あそこも、ラスベガスだった、ということもできよう。まさに、ゾルバ・ザ・ブッタ的問題提起のエンターテイメントであった。
7)結論はでない。解決はしない。しかし、一段深まり、一段、登る。無駄ではなかった何か、確実に記憶されるべき何かがある。何事にも執着しない人生もおかしい。引っ掛かりを持ち、何事かに、積極的に巻き込まれながら、人は生きていく。
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