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2022/01/23

山桜 藤沢周平  朗読

 

 

 

<小説>藤沢周平作「山桜」 朗読*池上伴湖 <期間限定配信作品>配信期間2021年5月31日~2022年5月30日

No.4625★★★★★

1)山桜はテレビ番組で、何回も見た。録画してあるので、何回見たか忘れたが、おそらく10回はくだらない。まだ残っていて、これからも何かの折に、思い出して、見るだろう。

2)テレビドラマと違って、朗読は、藤沢周平の原作により近いだろう。この二つの違いに、関心があったが、両方とも秀作だと思った。朗読の方は、よりリアリティがあり、あの田舎の風景が、より鮮明に浮かんでくるようだった。

3)この小説を思うと、2年前に亡くなった母を連想せずにはいられない。昨年末に亡くなった瀬戸内寂聴と同い年だった。時代体験は、ほぼ同じものだろう。

4)最初の夫を数年で亡くし、婚家から生家に一旦生家に戻り、再婚したのだ。

5)最晩年、施設で横たわりながら、つぶやいたことがある。せん妄というのだろうか、話している相手が誰だか分からなくなり、時間の順番もあやふやになりながら、私も、みつどころ、で暮らした人だから、と呟いた。一回だけだったが、聞き逃さなかった。

6)初婚については、タブーだった。何一つ話さなかった。全く知らないでいたわけではないが、そこを探っても、何一つ嬉しいことなど出てこないことを知っていた。

7)自分の名前に、孝、の一字をいただきながら、決して親孝行な子供ではなかった。時に反抗し、時に必要以上の心配をかけた。私の持って生まれた性格もあったのだろうが、彼女もまた、客観的にみれば、何事かに秀いではいても、何事かを秘しているような、性格に凹凸があった。

8)私は現在67歳。父は45歳で亡くなった。母は享年98歳を全うしたが、親子の葛藤は、すでに消滅していたと言ってもいい。決して母の望むような子としての人生を作り上げることはできなかったが、もうすでに、人間としての群像はすでに風雪に耐え、半ば、定型的な背景のように固定されている。

8)最後の呟きを聞きながら、何事かが変化したわけではなかったが、あの戦争時代に青春を送りながら、一人の女性として、一人の人間として必死に生きてきたのだ、という事実に触れた。

9)藤沢周平の山桜と、ダブルところもあれば、当然全く違った展開の部分もある。当然だ。だが、立場を離れて、ふと思えば、一筋に生きた一人の女性像に圧倒された。

10)   三つ所一筋に咲く山桜   把不住

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