コロナ マークⅡ ハードトップ 赤
1)私の中には、原情景として、この車が巣食っている。
2)戦後の急激なモータリゼーションのなか、わが家の横を国道のバイパスが通るようになり、ディラーの建物が次々と建設されていった。
3)最初にできたのがプリンス自動車で、スカイラインや大型のグロリアが飾られていた。
3)スカイラインGTの、羊の皮を被ったオオカミ、なんてキャッチフレーズに、小学生のボクは身震いしていた。
4)続いて登場したのがトヨペットで、我が家の真前に出現した。広大な敷地を確保し、遠くの工場から運ばれてきた新車達をディラーオプションをつけて顧客に納品するモータープールという施設だった。
5)高校1年になった私は親友のF君と一緒に、冬休みのアルバイトをした。握り飯の弁当持参で日当800円。大学生は同じ作業なのに1000円もらっていた。もっとも彼らは遠くから交通費をかけてきていたし、私たちはすぐそばだから、クレームをつけるのはやめた。でも、不満だった。
6)作業は新車納品の前に、ガラスのガムテープの痕跡を消すような簡単な作業だった。その時のメインの車種がコロナで、とくにコロナマークⅡハードトップが、一番カッコよかった。センターピラーがないのがハードトップで、ツードアだった。アンテナは電動式で、スイッチ一つで、伸びたり、格納されたりした。やっぱり赤が、一番衝撃的だった。
7)無免許だったし、新車なので、もちろん運転などしようともしなかったし、させてもらえるはずもなかった。でも、造形的に、美しかった。四角いスカイラインに対抗した、四角いコロナマークⅡが、強烈ななイメージで残っている。赤い車なぞ、近隣で乗っている人などいなかったから、ますますかっこいいなぁ、と憧れたものだった。
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