「スピリット・オブ・ロードスター」池田 直渡 <5>ソウルレッドクリスタルメタリック
「スピリット・オブ・ロードスター」 ~広島で生まれたライトウェイトスポーツ<5>
池田 直渡 (著) 2016/11/29 出版社 : プレジデント社 単行本 日本語 232ページ
★★★★★ 「スピリット・オブ・ロードスター 2021」目次
1)RSに出会うと、どうしても振り返ってしまうのは、あの赤が美しいからだ。赤といっても、ただの赤ではない。RSの赤なのだ。あの色はどうしてもああも美しいのだろう。
2)天井階をかた付けていて、作りかけのプラモデルを3つ見つけた。一つはオレンジ色のRRマハラジャだが、はぼ完成域まで行きながら、長年放置されてきてしまった。何が理由かは涼として判明しないが、うっすらと思いつくこともある。
3)もう2台はRS、いずれも1/24のNBだ。だからこちらもだいぶ前に放置してしまったらしく、ほとんど未組み立てのまま。正確にいうと、ボディは一台しか残っていない。色は白とオレンジ。残っていたボディはオレンジで、白はうっすらとした記憶によれば、だいぶ前に孫のオモチャとなって、煙滅してしまったようだ。
4)残った2台は、RRもRSもオレンジだが、もちろんこれもそもそもはサニヤスカラーへのこだわりである。初期のサニヤスカラーはオレンジだった。アメリカに行ってピュアレッドになったが、Pune2以降は、紫というか、マルーンカラーというか、いわゆるワインカラーが主流のように思う。
5)私は意識無意識に、このいわゆるワインカラーを求めているのだろう。しかし、巷では、特に日本の、しかも東北の市民社会では、全身をワインカラーで包むことは、かなり難しい。浮き上がってしまうとともに、そもそもがその素材に巡り合わないのだ。
6)ところが、テレビ番組などで、キャスターや体幹インストラクター達が、さりげなくワインカラーをまとっている時がある。ああこれこれ、これが欲しいんだよな、と思う。だが、付近の店では適当なものを見つけることが難しい。
7)ショッピングモールではほとんど見つからない。ユニクロあたりにありそうなのだが、ない。周囲の購買客層の意向を反映しているのか。アメリカ屋も、色的にはあることはあるのだが、どうも機能性に欠ける。素材だったり、形状だったり、サイズだったり、とにかく不満だらけである。
8)最近おおっと思ったのは、ワークマンプラス。色もまずまず、価格もまずまず、形状も、機能もまずまず。だがいかんせん商品数が限られている。現在多用しているのはメルシー。暇を持て余して飛び込んだ店舗には、私の欲しいと思うものがたくさんあった。シャツ、パンツ、上着、スポーツウェア、下着、半ズボン。ほぼOKだ。
9)だが、メルシーで不満なのは、品質。いくら何でもTシャツが180円じゃ安すぎだろう。運動用のズボンだって、580円じゃ、一体どうなの? と不安になってくる。色落ちしたり型が崩れたり、破れたり、毛玉ができたりしないのか。
10)こんな私を街角で振り向かせるのが、RSの赤である。私はあの赤を我がプラモデルに塗装しようと思い立ち、散歩がてらにカーショップに飛び込んだ。修理用のスプレーやタッチペンを見ながら、マツダの赤にはほぼ3種類の代表色があることに気づいた。クラシックレッドと、ソウルレッドプレミアム、そしてソウルレッドクリスタルメタリックである。
11)私が感動するのは、46V=ソウルレッドクリスタルメタリックである。プレミアムレッド(41V)よりは深みがあり陰影がある。どうかすると、黒みがかって、紫っぽく見えないこともない。これがいいんだな。振り返ってしまうのは、この陰影が、角度によって、絶妙に変化するからである。
12)しかも私が思うに、この色をまとったマツダの他の車じゃ嫌だな。この色のRS-NDがとてもかっこいいと思う。さて、ここからが本題で、長くなってしまいそうだが、書き切っておこう。
13)仮に私に入手可能だとして、この色のツーシーターの車が私の生活空間にやってきたとする。ちょっと考えただけで、ミスマッチであることは、すぐわかる。孫の幼稚園の送り迎えには不向きである。目立つすぎるし、スポーツカーの助手席に幼児用チャイルドはいかがなものか。市民農園に行くとする。トランクルームのサイズは問わないまでも、この車で砂利道を鶏糞や農業資材を運搬するのは、はてさて、イメージすらできるものなのか。
14)こちらの嗜好性と、目の前のゲンジツ。このギャップがあまりにもかけ離れている。イヤ、だったら2台持ちになればいいじゃないか。これは実現性はあり得る。しかしだ、駐車スペースはともかくとして、これから250~300万の予算組みに頭を悩ますのはいかがなものか。それにそれだけの予算組みができるなら、最初っから、もっと広く車選びができるではないのか?
15)どうも私の生活空間に、RS-NDソウルレッドクリスタルメタリックが来ることはあるまい。それはミスマッチの極致である。そしてそのミスマッチのボーダーをジャンプして超えていくには、あまりにもリスクがありすぎる。すでにそれはリスクというより、おとぎ話に近い、世迷いことでさえあるだろう。
16)それならばと思い直す。このソウルレッドクリスタルメタリックを身にまとう作戦はどうなっているのか。おそらく、メルシーだろうと、しまむらであろうと、はたまたUGや名うてのメーカーであろうと、量産できる商品ではなかろう。仮に一品モノとしてオートクチュールするちして、生活空間に常用するのは難しかろう。
17)またそうであるがゆえに、チベット僧たちはこの色のを見にまとうのである。
18)Meditation in the Marketplace.現代の瞑想者たちは、巷にいて、巷を愛し、巷を楽しみながら、巷に染まらず、巷を遠く飛び立つのである。ソウルレッドクリスタルメタリック。いい色だなぁ。
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