王子とこじき 10歳までに読みたい世界名作、日本名作 プレムバヴェシュと孫との会話
No.4552★★★★☆ リスト
1)「おじいちゃん、ホイッピング・ボーイ、って知ってる?」
「知らないなぁ」
「あのね、王子様が悪いことをした時、先生からのムチを代わって打たれる子どもだよ」
「へー、そんな役割あるのか」
「だったらさ、王子様なんていらないんじゃない?」
「う〜〜ん、そもそも悪いことをしたからと言って、子供を鞭打つことなんて、いけないね」
2)微妙に論点がすれ違っている。9歳の少年は、少年として、鞭打たれることを肯定しつつ、悪いことをしたのに、鞭打たれることを免れるのは、卑怯だと見て居るようだ。王子様なんて、必要ない。
3)じいさんはじいさんなりに、子供を鞭打つなんて、何事だ、と、大人目線で、現代教育論的に判断する。
4)そこで会話は途切れたが、後で「王子とこじき」を読んで、なるほど、ここからあの質問が飛び出したのか、と分かった。時代は今からかれこれ500年前のイングランドの実話がモデルになっている。小説として成立したのは、100数十年前のことだ。マーク・トウィン作。
5)この小説のタイトルからして、稚戯にあふれたたとえ話のように思えたが、実はどうしてどうして、なかなかに入り込んだ複雑なストーリーだった。それぞれの立場で、人間は色々に変わり、辛い思いをしたり、ずるい考えを持ったりするのである。
6)10歳までに読みたい世界文学シリーズ、4冊目。なるほどな〜、子供はこうして色々な世界の真実に触れていくのである。正義の味方と悪者、と言った勧善懲悪的な視点ばかりではなく、人は様々な立場で、役割で、それぞれに自分自身の人生を生きていくのである。
7)ところで、王子としてこじきの子が出会ったホイッピング・ボーイは、その役割を、不合理だとは思わず、敢えてその役割を受け入れているのであった。この役割を引き受けているからこそ、自分は生かされているにであり、両親も家族も生活できているのである。決してこの役割をやめたい、と思っているわけではなかった。9歳の少年は、この辺、どう読んだかな。今後、どう熟成していくかな・・・・。
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