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2021/06/11

「グレース 」源孝志 <1>

No.4549★★★★☆

1)「京都人の密かな愉しみ」を作るような人は、一体どんな人なんだろう。そんな単純な興味から図書館を検索してみると、著書が二冊、映画が一本ヒットした。「グレース」はそのうちの一冊。期待していたのはエッセイ集のようなものだったが、きたのは小説だった。

2)ほぼ1/5ほぼ読み進めたところで、私はやめた。面白すぎるのである。つまり、トリビアな話題が豊富で、スノッブな進行スタイルなのだ。途中でやめて、図書館に返却しようとしたところ、じゃ私がよんであげるわ、と奥さんにバトンタッチした。

3)たまたまきた友人などは、パラパラと速読すればいいじゃないか、とアドバイスする。いやいや、端折って読むくらいなら、最初から小説など読まなくてもいい。

4)数日して、完読した奥さんから、ダイジェストを聞いたから、だいたいのストーリーは分かった。思った通りだった。本田宗一郎と、S800が好きなら、この小説も良かろう。だが、RSにご執心な現在の私などは、動物的な勘でこの小説を避けた。

5)一緒に届いた映画「大停電の夜に」も、全く同じ理由で、1/5程度で見るのをやめた。おそらく残った小説「私だけのアイリス」も、同じようなものだろう。だいたい想定がつく。

6)分かってきたことは 、「京都人」に振り回されたのは 、このオムニバス形式の、このテクニックの巧みさゆえだったのだ。そこに寺や仏がからみこんできて、こちらの脇見好きの好奇心を刺激した、ってことだ。その巧みさは抜群だ。

7)だが 、オムニバスだけがのこり、寺も仏もなくなると、中身のない、デコレーションだけが巧みなスカスカの、トリビアな、スノッブな世界が残るだけだ。逆にいえば、寺も仏も、こんな風にしたら、こんだけ面白くなる、ということだ。

<2>につづく

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03)遼の巻」カテゴリの記事

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