現代人のための「禅問答入門」―超絶の難問・奇問が発想の転換をもたらす 佐藤 和彦 <2>
現代人のための禅問答入門―超絶の難問・奇問が発想の転換をもたらす<2>
佐藤 和彦 (著) 2002/06 出版社 : 学研プラス 単行本 : 239ページ
1)これまで当ブログが出会ったひょうたんナマズ表紙本としては、一番古く、決してステロタイプ本ではない。だが、内容的には、かなり基礎的、定式的な部分であり、禅問答をしるための、九九算の一覧表のようにわかりやすい。
2)なぜそうなったのかは、最後まで読んでみないとわからないが、そのほかには、ゴータマ・ブッタの人生や、インドの仏跡、あるいは日本のいわゆる禅者とみなされる人々の紹介もある。
3)禅ならば、決して教則本のようではなくて、その行間から筆者の人柄がしみじみと染み出てくる部分を要求したくなるが、この本にはそれがない。インド仏跡巡りも、筆者自身の姿が語れていない。なぜか。
4)それは、最初は出版社の要請で準備された一冊だったが、途中で著者が急逝したために、その後、5年ほどして、編集者に編集された形で、この本が世にでたのである。
5)基本的には、表紙に描かれているひょうたんナマズについての説明はなく、当ブログのテーマはなにも解決はしない。ただ、禅問答九九算一覧表としては十分で、これ以上なにが必要なのか。
6)当ブログは、真正面から禅問答などに関心を持ったことはなく、ひょうたんナマズでさえ、ようやく数週間前に自覚しただけであって、この本に書かれている九九表の「原理」さえよくわかっていない。1の段、2の段、3の段、程度のところまでしか、理解していないようだ。
7)でも、ことが禅問答であれば、むしろ、これで十分のようでもある。ものごとに通底して調べ上げる必要はなにもない。知るべきは自分であってみれば、他人、ましてや先人のすぐれた解や足跡を追いかけること自体、迷いにさえなりかねない。
8)著者の素性はそこそこ分かればそれでいいのだが、細かいことが書かれていないのは、本ができる前に亡くなってしまったことと、その死因がどうも、はっきり書かれていないところを見ると、自ら死を受け入れた風にも読み取れる。
9)まぁ、それはそれでいいだろう。だが、禅問答全体に、それほどふかくコミットメントしたくなければ、むしろ、この一冊で十分だろう。よくできた九九一覧表である。
10)文字も大きく、文献も厳選された、非常にわかりやすい一冊である。
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