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2021/02/09

はじめての「禅問答」 自分を打ち破るために読め! 山田 史生 <1>

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はじ めての「禅問答」 自分を打ち破るために読め! <1>
山田 史生 (著) 2013/02 出版社 : 光文社 新書 : 222ページ 
No.4471★★★☆☆ 

1)この書を読んでいて、わが青春時代の「雀の森」を思い出した。旅にでて、たくさんの体験をし、議論し、恋をし、冒険をし、失敗をし、そして高みの祝杯を時には挙げた。議論に次ぐ議論、言葉の捏造、論理の捏造、推論の限りをつくし、罵倒し、傾倒し、疑問、暗中模索となり、ケツから血を流しながら、町をさまよい、山を登ったり、海をみていた日々。

2)だれにもある若い時、青春時代、などと言わせまい。わが体験はわが体験。なんともしがたい郷愁さえも漂わせてよみがえる、あの苦闘の日々。羅針盤などなく、闘う刀や矢さえなかった。頼るものなく、自らの自身さえ、なかった。ただただ、内側から沸き立ってくる血潮、マグマのごときパトスに突き動かされて、爆発寸前の日々・

3)今でいえば、単なる若者宿、シェアハウス。その、われらがコミューンの中で、私たちは、きっと鍛えられていたのだ。指導者もなく、教理もなく、手段もなく、成功例もなかった。挫折と危険と、臆病な、そして失神しそうな、ないまぜとなった日々。そして明瞭に働き続ける、頭脳、あるいは意識。

4)あの怒涛のようなマグマの日々。あれこそは、若きわが仲間たちが作り上げ、体験しあった、禅問答であったに違いない。あのマグマ、やがては、流れ出し、小さな爆発を繰り返しながら、いつかは流れるべき道へ流れ出し、形づくり、冷えて、固まっていったのだ。

5)いや、外見は固まったように見えるが、中身は、おそらくまだ熱い。固まって身動きできなくなってしまったわけではない。ただ、熱は冷め、形を整えて、安定するべき時は来る。そしてその形はやがてまた、熱きマグマによって、ぐちゃぐちゃになる。形があったなどと思っているのは、ほんのちょっとの間だけだ。やがて爆発、流動する。その繰り返しだ。じん

6)あの熱きもの。マグマ。噴火。爆発。あかあかと燃える血潮。人生とはなにか。命とはなにか。地球は、宇宙は、死とは? 疑問だらけの人生。哲学に求め、心理学に求め、物理を語りあい、政治を思った。未来を語り、歴史を俯瞰しあう。旅し、思索し、そして瞑想した。

7)寺に通い、泣き、わめき、吐き、腹ばいに倒れた。空を見た、海を見た、雪道を歩いた。女性と出会った。竹林があった。トラックが、島が、緑が、星が。苦悩がどこまでもつづいていた。苦悩がおっかけてきた。死さえ思った。戦いがあった。嵐があった。

8)言葉を突き抜ける意識があった。酒に酔い、冷めて、また飲んだ。どこかにたどり着くのか、この道。行く先はあるのか。いいのか悪いのか、この道。この人生。これでいいのか。こんなことあっていいのか。笑った。笑いすぎて、泣いた。走った。走り抜けた。馬鹿だなぁ、と反省した。俺って、天才?、などとうぬぼれた。あの日々。

9)いいえぬ、いいしれぬ、日々。自分。世界。立ちどころのない、立ちあがれない大地。そらがあっても飛べない翼。体がうずき、心が泣いた。熱き心臓と、狂った頭脳。寒い寒い冬。夏、海辺の水着。真っ赤な太陽、空を横切る雲。空に落ちていく体験。裏切り、絶交、断絶、絶望。友情。立ち上がれ。エール。

10)いろいろなことがあったな、この人生。そして、それは今でも変わらないのだ。

<2>につづく

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