「道元一日一言」 大谷哲夫
「道元一日一言」 致知一日一言シリーズ
大谷哲夫・編 (著) 2020/4/30 致知出版社 新書 : 279ページ
こちらもまた、もともと貧弱なこちらのポケットマネーを狙って、近づいてきた一冊である。道元、好きである。いいね、一日一言、それもあり。パラパラするに、なるほど、これは私が好きそうになる一冊である。お手頃である。好きな人である。面白そうだ。
そして、左手をポケットにいれかけて、ふと考えた。いくつかの点が私の手の動きを止めた。まず、出版社が面白くない。詳しくはないが、かつてこの出版社の名前について、なにかの時に、誰かから関連印刷物をもらって、ふむふむ、そういう傾向性のあるところなのか、と私の足を止めたことがあるからである。
それに加えて、じつは道元については、現在進行形のちょっと不思議なことがあるのである。私は道元がすきなので、道元に近寄ろうとするのだが、どうしたわけか、道元との距離は縮まらない。どうかすると、大きな割れ目ができかかっているようにさえ思う。
禅=道元、とする紋切り型の見かたさえ、私なんぞは鵜呑みにしようとしているのにも関わらず、いや、それは違うのだ、というリアリティが、私を追い立てる。ここは端的に言えば、晩年を迎えた私は、決して逃げ込んではならない魔の領域なのである。それでごまかしてはならない。
私にとっては、生涯かけて、ZEN=OSHOでなければならないのである。そういう、生き方を希望してきたし、それが一番私にはぴったりだった。ここで日和見などしていてはならない。私には私の道があるのであった。
というわけで、私はこの本を、なにか汚いものでもつかんだように、すぐに書店の棚に押し戻し、踵を返して、帰宅の途についたのであった。
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