「聖者たちのインド」島岩他 <2>
「聖者たちのインド」<2>
島 岩 (編集), 坂田 貞二 (編集) 2000/10 出版社 : 春秋社 単行本 : 287ページ
何はともあれ、図書館から借り出し、本の中の一節として目を通し、こちらのpdfでも一度目を通しました。大いなる間違いもいくつかあるが、(例えば死因はアメリカの逮捕中の食事にあるとしたり、教団、麻薬、売春、犯罪などの言葉使いなども、紛らわしい使い方で、ホテルの名前などの正確性など)概して大枠は捉えているのでは、ないでしょうか。
もしこれがWikipedia の原稿なら、そして訂正や校正が容易だとするなら、比較的リラックスして対応できる気がします。
個人的に興味深かったのは、Oshoのそもそもの名前について72pや、94pあたりのインド国内のマスメディア の動向。インドに長期に滞在し、社会に目を向けていなかったら、なかなか、こういうレポートはできないでしょう。(ただし印象だけで、具体性に欠ける。)
また これは97年ころから書かれて、2000 年に出版されたものだから、日本国内的にはどうしても95 年のオウム事件の影響の影がムンムンする。
書き直すとすれば、その後の20 年間を、加味していただかないと、2020のWikipedia にはならないでしょう。
250p以降の記事にもざっと目を通しましたが、関連を見つけることができませんでした。もう一度、 見直します。
また 、この本の他の部分については興味がわかないので読んでいませんが、気が変わって読む気になったら、 またメモします。
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ゴエンカの部分を読んだ。例のハラリ氏が師事している流れで、基本ビパサナ中心の流れである。もともとミヤンマーからインドに入ってホワイトカラー層に広がっていると。
レポートしたのはこの本の編者である岩氏。まともな流れで、ある意味、それからどした?と突っ込みを入れたくなるw Osho のとほぼ同じ時代に活動しているのだが、ちょっと地味かな。
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次は現サイババ。日本でも一時ブームを呼んだ。わがスワミ・パンタなどが絡んだりして、笑えたが、今はどうなっているだろう。
この本を読む限り、内部で殺人事件が1993年頃あったようでもあるが、乗り切った。
依って立つところは現サイババの聖灰などのショーが唯一であり、ほとんど教義らしきものはない。それだけであれだけに街並みを形成しているのだから、インドの大衆のアイドルのようなものなのだろう。
前サイババにも触れている。現サイババの語り口をOsho と比較したりする部分もある。
カルトという用語も出てくるが、せいぜい宗派などの抑えたニュアンスにとどまっていて、批判的な意味合いは薄い。
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この本はTMから始まる。解説している星川氏も実践者だとか。大学で物理を学んだマハリシはヨガを物理学的に発展させようとしたのか。
結局この本でもマントラの部分は、ぼかして書いてある。TMでは、宗教と呼ばれることを、極端に嫌うという。
確かビートルズがiインドに行って急接近したのはマハリシTMだったと思うが、その件については、一切触れていない。
活動範囲やその主張、関係団体など、この本としては、一番扱いやすかったのがTMだったのかな?
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ハレクリシュナ。ヘッドスキンに弁髪、長身のウエスタンを、仙台七夕の人並みで見つけて、声をかけたら、カラフルなクリシュナのパンフレットを売りつけられたことがあるw
あれは目立つが、あんな風にはなりたくない、と思っていたが、70年代末にインドから帰国した私も、頭から靴まで全身オレンジ一色で仙台の街を歩いていたから、あいつもついにハレクリシュナにかぶれたか、と思った友人もいたらしい(爆笑)
アメリカにおいては、ギンズバーグなどと出会い、ロックコンサートなどで登場したから、一躍若者たちの話題に。反カルト活動も盛んになって、脱洗脳などの動きが活発になるのはこの頃からか。カウンターカルチャーやビートルズ、ハリスンなどとの関わりが語られる。
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サンガラクシタ。1925年生まれのイギリス人、この人のことはこの本で初めて知ったが、アンベードガル博士の新仏教徒運動の影響下にあると知って、だいたいのイメージはできた。
ただ新仏教徒運動なら、我が日本の佐々井秀嶺氏がおられるだろうにと思ったが、この人物は、そこに新しい動きを加えた。なるで新しい一宗派を作ったようであると。
数息感や座禅、チベット密教などの美味しいところ取りをしたようだ。
こちらにはビートルズ→TM→ヒッピー→インド、の流れが書かれているが、サンガラクシタの流れは、これを拒否したようだ。
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この他、ラーマクリシュナとヴィヴェーカーナンダやマザーテレサなどの項もあるが、今回のここのプロジェクトに直接に関わるものはない、と思われる。
全体として信頼できる書物ではあるが、日本の研究者がインドを訪ねて、というもどかしさがあり、決してこなれているとは思われない。個人的評価なら★★★☆☆程度のおざなりな本である。
この本を根拠にWikipedia が書かれているとすると、着目すべき一時情報はきわめて少ないし、根拠の薄い孫引き程度のおざなりなものである。
この本はもともと1996年10月に企画が決定し、出版も遅れて2000年10月になったということだから、その時代背景を大きく差し引いて評価しなくてはならない。
<3>につづく
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