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2020/06/28

「彫刻刀で作る仏像」 入門編 増補・改訂版  関侊雲他

<初版本>よりつづく
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「彫刻刀で作る仏像」 入門編 増補・改訂版
関侊雲 (監修), 紺野侊慶 (監修), スタジオタッククリエイティブ (編集)  2018/02 単行本: 176ページ
No.4410 ★★★★★

 初版本
2010/07に出版されているが、その後、仏像彫刻を趣味とする人々が増えているのか、8年後に増補・改訂されている。前回は、止むにやまれず始まってしまった私の仏像彫刻だった。まず、素材があった。そして、テーマがあったのだ。即時にスタートするには、手元にある身近な道具を活用するしかなかった。

 カヤの木があり、薬師如来というテーマがあった。子供たちが学校時代に使った彫刻刀の何組かが押し入れに残っていた。まずはここがスタートだった。必要に迫られ、まずは手当たり次第、当たって砕けろ精神でぶつかっていくしかなかった。

 結果、それなりに形になったものの、それは一時的な熱狂で終わろうとしていた。面白い、奥の深い世界だ、ということは分かったが、あまりに奥深く、自らの手によってたどり着ける世界ではないのではないか、という疑念に付きまとわれた。

 疑念があるのはそのままだが、また素材がやってきた。そしてテーマもやってきつつある。今度の素材はケンポナシ(玄圃梨)である。そもそもは仏像ではなく、仏像を収納する箱などの素材として使われているらしい。仏像の作品数も少ない。だが、その素材の質を理解すれば、仏像になるかもしれない、という読みがある。

 テーマは、ふたたび薬師如来でいこうかとも思っている。されど、もっとも違うのは、サイズである。同程度の大きさでは、どうも納得がいかない。五重塔製作も、以前の40分の1では満足できなくなった。現在再スタートしたわが五重塔工作も、サイズはかつての倍、20分の1である。つまり、長さで2倍、面積で4倍、体積では8倍となる。制作時間はともかく、注意度、集中度においても、どうやら8倍必要とされるのではないか、とわかり始めた段階である。

 おそらく仏像彫刻もまた2倍の大きさなら、8倍も10倍も集中度が必要とされるだろう。だが、私は今回は2倍以上、4倍の大きさの仏像がつくれないか、と無謀な思いに取りつかれ始めている。流さで4倍、面積で16倍、体積で84倍である。それって無理? 無理だろうな。

 やめとけやめとけ、無理無理。心の底から否定的な思いが湧き上がる。諦めかける。いや諦めた。だが、やっぱりまた湧き上がる思い。そんな逡巡のうち数年が過ぎ、ケンポナシの乾燥度もそれなりに進んで、早く加工してくれ、と言い出しているようにさえ、私には感じられる。

 だが、今回は、手元の彫刻刀だけ、というわけにはいかないだろう。斧やのこぎり、ノミや計測機器も必要となろう。一本作りなのか、合わせ木構造なのか? それにテーマは、薬師如来でいいのだろうか。観世音菩薩とか、阿弥陀如来でなくていいのだろうか。そこに思いがめぐり始めると、手は止まり、そもそも彫刻そのものの道が遠く感じられるようになる。

 現在は20分の1五重塔を制作中である。おそらく制作時間は、最短期間であと2か月。場合によっては一年から数年かかってしまうかもしれない。色は塗るのか、収納はどうするのか、設置場所は・・? 検討課題は決して少なくない。そして、この五重塔とにマッチングの上で、つぎなる我が仏像彫刻も存在しているのだ。

 おそらく大きさは2~4倍まで。それ以上大きくは作れない。そもそも材料に恵まれていない。技量もなければ、収納する方法もないだろう。現実的には2倍程度だろうが、それさえも、ちょっと無理かもしれない。

 そして現在ブレているのは、テーマだ。やはり薬師如来でいいのか。今回そこで行けば、テーマは全体的に固まってしまうかもしれない。そうではなくて、釈迦如来とか、阿弥陀如来とか、なにか他のテーマでいくのか。ここんとこがまだわからない。つまり期が熟していないのである。

 今のところは、粘土制作どころか、画像のコピーから始めるしかない。ほどよい大きさに原稿を拡大コピーして、身近においてみる。生活の中、部屋の中、そして他の作品との兼ね合いはどうか。金属素材でつくったiロボットのように、本当は原寸大で行きたいのはやまやまだが、そうはいかない。それでは永遠にたどりつかない計画となってしまう。

 その辺を逡巡しているのが、今夜である。まぁ、じっくり楽しんでいこうではないか(笑)

 

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