トランスパーソナル・セラピー入門 <3>
<2>よりつづく
「トランスパーソナル・セラピー入門」 <3>
吉福 伸逸 (著) 1989/10 単行本: 317p 平河出版社
★★☆☆☆
著者あたりが中心となって、日本におけるトランスパーソナルなるコンセプトの流布が盛んに試みられたが、はて、その結論はどうなったであろうか。これまで当ブログが書いてきたような経緯から、期待はされつつ、結局は、きわもの、はずれもの、の対応をされてしまった潮流ではなかろうか。
著者はOSHOのシンパでありながら、極めて中途半端かつ、矛盾した態度を示してきた。文中においても、その葛藤が見受けられる。結局は、彼もまたこの世の生を終えてしまったので、いまさら鞭打つことはしないが、私は著者に対しては、一定程度の距離をおいてきた。
敬して遠ざかる、というべきか。この潮流がもっともっと前面に出てくるべきだと思いつつ、彼らの動きには、さまざまな齟齬を感じたし、軋轢も感じた。その流れが、今後、どうなっていくのかは、多いに楽しみである。
また、一定程度、当ブログとしてはこの潮流に結末をつけてしまったために、最近の動きをしらないが、いや待てよ、と最近の動向を、もう一度検索する必要があるのかもしれない。
問題点をいくつか絞るとすると、まず一点は、それはプロフェッションとして、成立するのかどうか、ということ。教師なり、医者なり、公務員なり、とりあえず、私はこういうものです、と言えるのか? 僧侶であるとか、商店主であるとか、農家です、というような、具体性をもった実像を持ちうるのかどうか、ということ。
二つ目は、全うに、これまでの心理学なり科学なりの王道を、さらに頂上へと推し進める力となり得ているのかどうか、ということ。日本においては、例のオウム真理教事件が、大きく影を差している。いまだに周辺業界は偏見の影響を受けている。人間、一体、何が本当に必要なのか、というところの煮詰めは、まだ先になりそうだ。
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