「エンカウンター・グループ」―人間信頼の原点を求めて カール・ロジャーズ
「エンカウンター・グループ」―人間信頼の原点を求めて
カール・ロジャーズ (著), 畠瀬 稔 (翻訳), 畠瀬 直子 (翻訳) 1982/07 出版社: 創元社 単行本: 268ページ
No.4377★★★★★
今回検索してみて、この本についてのブックレビーがけちょんけちょんに書かれているので失笑してしまった。この本の著者たちがファシリテートしたグループについての評価であろうが、まぁ、誰がやっても、実はこのグループ・ワークは簡単ではないのである。
30年ぶり天井階からの落下本の中ではひとつの頂点であり、ひとつの象徴でもある一冊である。
1977年に、私がインドのOSHOアシュラムに滞在した時、主に行われていたグループワークの基本は、このエンカウンターグループにあった。そのものずばり「エンカウンター」と称するグループワークもあって、かなり過激な内容を持っていた。1978年当時アシュラムを覗いた日本語翻訳家Yなどは、その内容から、OSHO批判を始めた。
とりあえず、OSHOのところで、複数の人間が集まって、共同のセラピーを使用とする場合、単にグループと称するが、それは基本にエンカウンター・グループがあることを示している。
80年代なかば、いのちの電話相談員研修に参加しているとき、当時40代の女性聖職者が、このエンカウンター・グループについて評価していたことを思い出した。職場(というかそのネットワーク)の中で、このエンカウンター・グループ演習が行われたらしい。その時、大変な惨劇が起こり、彼女もまた、多いに傷ついた、ということだった。
考えようによれば、職場でも、家庭でも、学校でも、町内会でも、サークル活動でも、ゆるいエンカウンター・グループであると、捉えることもできる。しかし、その空間も決して無法地帯ではない。ファシリテーターとして意識する存在は、多いに重要なポジションをとることになる。
ある友人は、SF映画の中での、宇宙船の中の心理職を理想としていて、学校の心の教室相談員になった。ある空間、あるエリアの中に、意識あるファシリテーターが、エンカウンター・グループとしてそのダイナミクスをとらえていることができたら、素晴らしいい。
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