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2019/09/16

「小さい農業で稼ぐコツ」 加工・直売・幸せ家族農業で30a1200万円 西田栄喜

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「小さい農業で稼ぐコツ」 加工・直売・幸せ家族農業で30a1200万円
西田栄喜 (著)2016/02 出版社: 農山漁村文化協会 単行本(ソフトカバー): 144ページ
No.4338★★★★☆

 こんな本が出ているわよ、と奥さんが教えてくれた。新聞広告の切り抜きである。我が家では、どちらも本好きではあるが、その種類はほとんど混ざらない。まったく別分野の本を読み続けている。たまに、あ、この本は奥さん向きかも、と言って勧めたりはするのだが、どうも頓珍漢なことが多いようだ。

 当然、これは亭主の好みかも、と奥さんが勧めてくる場合がたまにある。そんなときはいちおう敬意を表して目を通してみるのだが、結局、こちらも頓珍漢なことがよくあるのである。つまり、二人が同時に夢中になる本、というのは、ほとんどない、と言っていい。

 さて、そうは言っても、お互いの距離を縮めるためには、たまには私のほうが歩み寄って、うん、これはよかったね、この本はためになったよ、と言いたいものである。そして、この農業本は、ひょっとするとそのヒット本になるかも、と一人で期待が高まった。

 私は私で、震災直前から農について大雑把に取り組み始め、8~9年経過して、ようやく何事かの手がかりがつかめたかな、という段階である。奥さんにしてみれば、試行錯誤のムリムダムラの亭主の農ごっこは、いい加減そろそろやめたらどうか、とさえ思うような、いい加減なものに見えるのだろう。

 私は私として、もっとましな農作物を、もっと多く作ってみたい、と焦ってはいるのだが、どうもそんなに簡単ではない。やってみなければ失敗もできないだろう、というレベルだが、市民農園の隣のおばさんなどに聞いてみると、やってみてもさらに分からないのが野菜づくりだ、とおっしゃる。最後は天候次第のこともあるのだ。

 そんな訳で、今年は、土づくりやら、エンジン付き管理機やら、水肥料やらで、すこし前進はしたものの、もうすこし何とかならないものか、と思案しているところである。作付けすべき野菜の品目も見えてきた。近くに新しく道の駅もできたので、販路として利用できるのではないか、などなど、可能性は拡大はしているのである。

 そろそろ投資した分を回収しなければならない段階だが、ここらあたりで、奥さんのおすすめの本でも買って、「稼ぐコツ」なども学ばなければならないかな、と反省。ネットで購入しようとしていた矢先、図書館の蔵書リストを見たら、もうとっくに入庫していたのである。しかもこの本はすでに3年前に出た本だった。新刊本ではないのだ。

 この本、新刊本ではないのに、いまあらたに新聞広告ででているということは、おそらく人気本にして、最近になって増刷されたものかもしれない。少なくとも多くの人に支持されている本なのだろう。30a1200万円、というフレーズはちょっと臭い部分ではあるが、売り上げの数字であり、経費を引けば、その半分の600万の収入という意味のようである。

 この数字は多いのか少ないのか判然とはしないが、まずまず一家が生活していく土台にはなりうる数字であろう。家族ぐるみであれ、30aというところが味噌である。実は私もこの程度の耕作地なら利用可能なのだ。この耕作地を転がすことができれば、わが家の経済ももう少しましになる可能性はある。ここんとこ、うちの奥さんが言いたいのだろう。

 ただ、加工や直売となると、かなりハードルは高い。ましてや家族農業は今のところは無理だ。耕作地を利用できるにしても、片道1時間のところにある農地なのである。ましてや通うのは週に一度が限度。ひどい時など、2~3か月放り投げっぱなし、なんてこともあったから、「稼ぐ」なんてことは、当面は無理だ。

 無理ではあるが、せいぜい週末通勤農業なるスタイルを考えて、商品選定やら販路やら、さまざまな戦略を組み直すチャンスにはなるかもしれない。そんな意味において、この本は、なかなか刺激的な一冊である。そもそも、私には生涯の仕事と思える他の仕事もあるのであり、専業農家などにはなり得ない。ましてや一家移住などはできない。

 そもそもなんで市民農園やクラインガルテンに興味を持つようになったのか。それは人間としての基本であると思えたからである。人間としての基本に近いものとして、他には、読書とか、瞑想とか、俳句とか、ボランティアとか、いろいろ思いついてはいるのだが、その一角に、どうしても農の一文字を入れておきたかったのだ。

 その程度の意味においては、この8~9年の私の努力は無駄ではなかった、と自負するものである。少なくとも、農とは難しい、ということを理解したという点において。そして、やはり楽しい。土に触れ、天候に敏感になり、さまざまな技術を新しく学ぶのは楽しい。

 その楽しさの延長として、趣味のひとつとしてなら、私の農への取り組みはとりあえず、成功していると言っていい。私の生活の幅がぐっと広がった。だが・・・・・。この趣味はそれなりに出費をともなうのである。地代、資材代、農機具代、交通費、教材、などなど、これらを取り戻す作業も本当は必要なのではないか・・? それらが賄えてこその持続可能な趣味なのではないか。最近はようやくそう思えるようになってきた。

 なかなかうまくいかず撤退しようかな、と思わないでもなかった、この数年ではあるが、この本にも出会ったことだし、もう数年、もう少し前向きに取り組んでみようかな、と思い直したのである。結果として、この本を購入はしなかったが、奥さんのお勧めには感謝しているところである。

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