「ひとり舞台」 脱原発-闘う役者の真実 山本 太郎 <1>
「ひとり舞台」 脱原発-闘う役者の真実 <1>
山本 太郎 (著) 2012/02 集英社 単行本: 232ページ
No.4308★★★★★
山本太郎にしても、大西つねきにしても、根本的に3・11を契機に人生を見直した、という点において、深い共感をもつのである。この本は、原発事故直後から一年以内の太郎の周辺のことがまとめてある。
反原発本とタレント本が混ざったような本なので、はっきり言って私には読みにくい。まず、原発本はたくさん読んだので、今更、もういちどあのタイミングをフラッシュバック体験するのは勘弁してほしいなぁ、と思う。
もちろんタレント本としても、そもそも接点のなかったタレントの周辺など、正直言って関心ないので、スルーしてしまってもいいような本でもある。しかし、この本は、今回の山本太郎を理解するには、絶対逃せない本であることはまちがいない。
その証拠に、この本は、その後、文庫化されてさらに多くの人に読まれている。それだけ意義がある。正直、今急激にこの本を読み進めるのは、今の私には無理だ。いっぱいいっぱいだ。理由はいろいろあるが、本自体の目的としては、タイミングではない、ということ。
されど、山本太郎という人物を理解するには、この本は精読しておかなければならない。なぜなら、これだけ脱原発に触れていて、今回の選挙ではほとんど触れていないこと。もちろん8つの緊急政策のうちの8番目には掲載されているけれど、選挙向けには触れていない。ここは関心深い。
今回はとにかく消費税、時給、奨学金あたりにターゲットを絞っている。手元の「経済」を、ざっくりと突きつけてきている。これはこれでいい。それは成功したと言えるし、当面はこの作戦は、私にも賛成できる。されど、彼がこれまで変化してきた過程には、この本に描かれているプロセスをキチンと押さえておかなければならない。
そしてやっぱりこの本においては、彼のライフストーリーが浮き彫りにされている。私の中における山本太郎という人物のジグソーパズルの、重要なパーツがこの本の中にある。
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