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2019/08/30

「ニューズウィーク」日本版 2019年7/23号[日本人が知るべきMMT]

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「ニューズウィーク」日本版 2019年7/23号[日本人が知るべきMMT]
出版社: CCCメディアハウス (2019/7/17) 雑誌
No.4318 ★★★★★

 この手の雑誌のこの手のタイトルには、これまでも何度も踊らされてきたものだが、大概は、いつの間にか興ざめしてしまって、忘れてしまったものがほとんどだ。なにか面白いことないか、子猫ちゃん、と物欲しそうにキョロキョロしている読者たる自分の身を反省することがしきりだ。

 さて、突然わが目に飛び込んできたこのMMTとやらの、これからの進展はいかに。手っ取り早く言えば、モダン・マネタリー・セオリーの略がMMTであり、日本語には現代貨幣理論と翻訳されている。

 文字面だけでは、なんのことやらわからない。極端な理解としては、通貨発行権を持っている国家は、いくら自国貨幣を印刷しても国家破綻には陥らない、という理論である。つまり、通貨量を増やすことによってインフレターゲットを上昇させようという経済政策を裏打ちする理論、と理解していいのだろう。

 今回、衆議院選で一大ブームを起こした山本太郎とれいわ新選組の8つの緊急政策を支えるのは、法人累進課税とこのMMT類似の政策であろう。このMMTがないことには、消費税廃止も、時給1500円補償も、奨学金徳政令も実現できないこととなる。

 このMMTには、以前、間接的にだが、瞬間的に耳にしたことがある。現財務大臣が「貨幣はいくら印刷してもいい、という理論もあるそうだ」という内容を口走っていたのだ。この人が発現すると、なんでも眉唾をつけたくなるので、その場で終わったが、結局この時に、麻生氏に耳打ちしていたのが、以前、安倍政権の経済顧問を長く務めた藤井聡氏ということになろう。

 藤井聡については当ブログとしては先日、「10%消費税」が日本経済を破壊する──今こそ真の「税と社会保障の一体改革」を (2018/11 晶文社)に目と通したばかりだが、まぁ、国家の政策ゆえ、一国民としては、なんとも、何をどうすればそうなるのかは、まったく分からない。藤井聡は、MMTの主唱者のひとりステファニー・ケルトン女史を日本講演に招聘したひとでもある。

 少なくとも、消費税廃止、時給1500円補償、奨学金徳政令、 などの国家的政策を、誰かがやってくれるのであれば、どの党でも、誰が首相でもよい、ということになる。自民党だって、民主系の政党だって、それでいい、ということになる。

 逆に言えば、既成政党を離脱した山本太郎とその仲間たちが大声張り上げなければならなかったということは、既成政党として、まともにMMTに取り組む姿勢を持っていないわけで、具現化しなければ、理論は理論として、絵に描いた餅として忘れられていくだけなのである。

 自民党内部にもMMT理解者は少なくないと思われ、またこれ以外に20年デフレから脱出する手段が見つからない今、誰がやってくれてもいいのだが、結局はMMTが踏み絵となって、改革急進派の統一会派が具現化していくのを待つしかないのであろう。

 この雑誌の記事は、選挙中にでたものであり、その選挙結果を含んでいないが、それ以降の政局は一段と混迷が深まっており、今後どのような展開になっていくのか興味深いものがある。

 ただ、政権というものは経済政策だけではなく、どのような国家観、どのような外交観、どのような人間観に支えられているかによって大きく変わるのであり、例えば、辺野古基地進建設問題とか、原発エネルギー問題であるとか、食料国内自給率を高めるとか、多方面の検討が必要なのであり、まず、現自民党政権では、もはや手直しは無理である。

 国民目線で、生活目線で、MMTを活用した形の政権運営を期待する。

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