「一彫入魂 面打ち・仏像彫刻を楽しむ」 (定年前から始める男の自由時間ベストセレクション) <4>
「一彫入魂 面打ち・仏像彫刻を楽しむ」 (定年前から始める男の自由時間ベストセレクション) <4>
塩飽 晴海 (著), 2008/01 技術評論社 B5変形 大型本: 144ページ
No.4307★★★★★
わが最寄りの図書館には、この同じタイトルの本が二冊ある。2005年版と2008年版だが、違うのは本の大きさとページ数であり、内容にはほとんど違いはない。ムック形式の2005年版に比べ2008年版は小型単行本になっているが、それだけページ数が増えているので、内容にまったく見劣りはない。いやむしろ編集上、画像がさらに大きくレイアウトされている部分もあるので、新しい分だけ新鮮だと言えるかもしれない。
さてわが「趣味」であるはずの「面打ち・仏像彫刻」はどうなっているのか。掛け声ばかりでなかなか前に進まない状態に陥っている。母の介護・葬儀があったこともあるし、もう一つの「趣味」である畑仕事もなかなかに気になる季節でもある。されど、もっとも大きな障害は、体力・気力と技術の衰退であろう。
仏像彫刻や面打ちは、私にとってはとても体力のいる作業となる。そもそもの彫刻刀などが揃っていないせいもあるのだろうが、とにかく筋肉痛になる。場合によっては、朝に起き上がれないほどに疲れ切っている我が姿をみることもある。用材や着想の準備もなかなか時間と勉強が必要となる。
仏像となれば仏教一般の知識も復讐しなければならず、面打ちとなれば、能狂言の基本中の基本から学んでいかなければならない。むしろ、そちらを学ぶことが目的なのであり、彫刻や面打ちが目的なのではない、などと口実をつけてはみるが、やはり、そうそう簡単に進められる「趣味」ではない。
されど、これらの道は、奥が深い。そもそも時間をかけてゆっくり進んでいくべき道であり、焦ってはなるまい。心のどっこかに引っかかっている限り、いずれこの道は再会されるはずである。
つづく
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