今回の参議院選挙で思ったこと(ちょっと長いよ)
今回の参議院選挙で思ったこと(ちょっと長いよ)
私は保守風土の中で育った。大人のやっている選挙は興味深く見ていたが、私の周りには保守以外に投票する人はいなかった。保守と言っても、たくさんの人々がそれぞれの地域を代表してでてきていたので、保守間の戦いがあり、それはそれで面白かった。
高校生時代に生徒会長選挙に立候補して以来(三位で落選)、私はそれなりに世の中の政治にも興味を持っていた。テレビから流れる巨人の試合しか見ていない田舎の子どもにとっては、巨人、大鵬、卵焼き、しか知らないように、私は巨人ファンだった。
しかしハイティーンになって、アンチ巨人という立場があり、巨人が負けさえすればそれで快感(特に流峰なんか)という人物がいる事を知って、驚いた。特に野球ファンにはならなかったが、巨人以外にもプロ野球チームがあることを、痛感した。
保守政党しか知らなかったが、成人して投票権をもつようになってからは、よくよく気をつけて投票するようにした。すくなくとも人物をよくみた。保守に投票したこともあったし、トンデモない泡沫候補にも何度も投票した。もちろん、名前のある政党のほとんどに投票した体験がある
その時、一生懸命考えて、こいつだな、この人だな、まぁ、いいんじゃない、と一票を投じてきた。振り返れば、自慢じゃないが、投票歴100%だ。白票を入れたことはない。もちろん、この人は完全なんて人はいなかった。据え膳食わぬは男の恥、的な考えがあり、多少まずそうでも、おいしいおいしいと言って食べた
少なくとも、少ない選択肢の中から、まぁ、この人だろうな、という人を見つけて、必ず投票してきた。私は戦後生まれの、科学と民主の子である。投票は民主主義の根幹である。これを否定、拒否することはできない。
まぁ、そうは言っても、今回の参議院の前も、う~~ん、まずそうなメニューばっかりだなぁ、とため息をついていたのだ。もっとおいしいもの食わしてくれや。私は待ちの姿勢だった。
ところがどんなものか、今回は、突然選挙告示直前になって、わが友人たちのSNSが騒ぎ出した。宇都宮弁護士の時も、三宅洋平の時も、期待したけど、期待はしたけど、なんだかなぁ、という気分だった。十何年前かは、沖縄の著名なロックシンガーの選挙活動にも参加した。チラシまき、ポスターはり、選挙ハガキ、電話かけ、いろいろやったな。
で、参議院を6年やって、その後が続かなかった。彼が6年間で、どんな活動してくれたかなぁ、と思うと、実は、今回はそのこと自体がトラウマになっていた。まぁ、政治なんて、期待する方がどうかしているんだよ。そういう結論がでていた。
しかし今回は違った。私は踊った。お、いいじゃん。これでいこうよ。いいよを押し、シェアした。選挙フェスにも行った。ビラを撒いた。電話かけをした。ポスターを自宅に三枚も張った。
で、思ったことが一つある。私は自分の意志をしっかり持っているが、いままでF票とやらを取りに行ったことはない。私は私の考えで、あの人はあの人の考えでいいじゃない。そういう風に長いこと思ってきた。それはそれでいいと、今でも思っている。
しかし、気づいたことは、投票に行かない人は実に身近にいるのである。選挙どうするの? と聞くと、なんだかなぁ、という、基本、私と同じ考えだ。なんだかなぁ、と言って彼は寝ているが、なんだかなぁ、と言っても、まあ私は私自身の投票率100%を更新するために(爆笑)まずは投票所にいく。最近はほとんど期日前投票だ。
ところが、彼らは、投票先を見つけられないでいるのだ。今回私が声をかけた数十人のほとんどは、地方区はともかく(って二択だからね、ほとんど私と同じ)、比例区はまったく関心がない。受け皿がないよ、とあきらめている。
私も、SNSで話題にならなかったら、つまらんところに一票を投じていたに違いない。知らないんだもの、しかたないだろう。大体において、私んところには、選挙公報が届かなかった。これを待っていたが、全然来ないので、期日前投票に行ったら、投票所には、選挙公報は山積みになっていた。係員はすでに配っているはずだと豪語する。
しかし、これは我が家だけの現象ではなかった。他の友人宅にも起きていたようだ。おい、まずいだろう。広報も届けなかったら、誰が立候補しているか、分からんだろう。他の人はどんな意見なんだろう、って知ることができないよ。
私の周りの人達の、二人に一人が投票に行かなかったら、投票率50%になる。当たり前のことだ。政治にまったく関心がない人が50%いるわけじゃない。投票に行く環境を作ってもらえていないのだ。三人に二人が関心を失えば、30%になるのは当たり前じゃないか。
ちゃんとお知らせして、ちゃんと受け皿を作ってくれたら、選挙率なんて、一変に上がる。まったく選挙に関心のない困ったチャンが、世の中にはびこっているわけじゃない。ただ行くチャンスを失っているだけだ。
あなたは生涯の投票率、何パーセント?、50%超えしてる? もし半分くらいだったら、他の「無関心」層という確固とした岩盤があるわけじゃないことがすぐわかる。みんな関心を持っている。持っているが、投票所までいく楽しみを作ってくれていないのだ。
私は、今回、ぜひ投票したい、というムーブメントに出会えて幸せだった。それをみんなに伝えたいと思った。そして、今後、この動きがもっともっと強くなって、私を幸せにしてほしいと思った。
完
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