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2019/07/28

私的検証④「公務員を増やします」

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私的検証④「公務員を増やします」

 私は生涯、公務員になりたいと思ったことはない。公務員っていいなぁ、と思ったことはない。むしろ、公務員にはなりたくない。公務員なんて、なんだかなぁ、と思ってきたほうだ。わが家の息子は、幼稚園時代の七夕の短冊に「サラリーマンになりたい」と書いた。ジョークが上手な彼のことだから、彼一流のユーモアだった可能性もあるが、父親である私にとっては、かなりショックだった。

 公務員でも、サラリーマンでも、他のなにかでなくて、自由業、という肩書が欲しかった。結果としては、自由業というほどカッコよくはなく、せいぜい自営業を自称する程度で終わったが、それにしても、自営業ってなに? 肩書で人間をカテゴライズできる? 

 戦後、公務員なんてなる人は少なかったと聞いている。それはそうだろう、破綻した国家に身を託すなんて、カッコ悪かっただろう。もっと自由にやりたかっただろうし、自立できない奴がコウムインなんてものに「なり下がった」のではないか。(これはかなり言い過ぎだが)

 高度成長時代まではサラリーマンのほうが、公務員より面白かったはずだ。職種にもよるだろうが、民間のほうが給料が良かった。公務員のほうがよさそうに見えてきたのは、おそらくバブル期を過ぎて、民間が低迷してからだ。一度上げてしまった公務員の給料体系を下げることができなくなったし、ある意味優秀な人材がコウムインという流れに向かった。

 私はバブル崩壊直後にある駐屯地の心理カウンセラーを5年程務めたことがある。バブリーな時期にその駐屯地に集まってきた隊員たちの質は決して高くなかったという。むしろ駐屯地内での自殺が多発したことが報じられている。そのためにカウンセラー制度が採り入れられ、私たち外部カウンセラーも大量に投入された。

 自衛隊も消防も警察も、学校の先生も、一部の清掃局員も(昔は全員だったと思う)公務員だ。そもそも公務員を増やす、というスローガンにはどういう意味があるのだろう。大きな政府を作るということなのか?
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④「公務員を増やします」
  原発作業員、介護・保育士など希望者全員を公務員化。国がケチる分野がこれからの成長分野。
 1万人あたりの公務員数をみると、日本は英国の約3分の1、米国の約2分の1です。
 公務員を増やす。安定雇用も経済政策です。 れいわ新選組パンフレットより
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 学生たちの就職先として公務員の人気が高いから公務員を増やします、と言っているようにも聞こえるが、そうではなくて、どうしても必要なのに身分が不安定な分野に従事してくれる人々を政府が強烈にサポートしていきますよ、と理解したほうがいいのだろう。何でもかんでも、民営化というひとつの潮流に対する、もうひとつ別のカンターカルチャーとして表現しているのかもしれない。

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