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2019/04/20

「知られざる中世の仙台地方」飯沼勇義<3>

<2>よりつづく

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「知られざる中世の仙台地方」
<3>
飯沼勇義 1986/11 宝文堂 単行本 300p

 飯沼史観において、本当に注目すべきはこの一冊ではないか。最近の私にはそう思える。地元についてのかなり詳しい基礎資料が満載である。チェックすべき、確認すべき点は、山ほどある。すでに30年以上前に著者はその貴重な研究を完了していらっしゃる。

 この本は、郷土史における重要な資料なので、近隣の図書館に複数収蔵されているばかりか、個人も神社仏閣にも各自収蔵されているようである。あまりにも有名な本なので私も欲しいな、と思ったが、すでに出版元も閉店してしまっているし、古書店においても流通していない。

 復刊すべきはむしろこの本ではないか、などと思ってみたりする。たまに思いついてネット検索して古書店などを検索してみるが、まったく入手の可能性がなかった。まぁ、どこの図書館にも入っているから、まぁ、いいか、読みたい時、借りにいけばいいんだ、と納得していた。

 ところがである。ごく最近、ついに見つけてしまったのだ。この本はいつも手元において常に参照したい。それだけエネルギーが満載されている一冊である。さっそく注文した。他の人に取られてはいけない。今回はとにかくラッキーだった。この古書店は実に正直で全うなお仕事をされているお店である。注文して翌日に届いてしまった。

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 しかも、実に美品であった。もちろん初版(重版されたとは聞いてないが)であるが、なんと箱までついているのである。そしてそして、発売当時の帯までついていた。

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 これは著者にも出版元にも、古書店にも、感謝感激である。廉価で、しかも後払いでOKで即直送してくれた古書店には、本当に頭が下がった。私もまた、その好意に感謝して、即ネットで入金した。いやはや、久しぶりの快挙である。

 だがしかし、人間には煩悩はつきものである。わたしぁこの本を汚したくない。どうせ私の読み方だ。あちこち付箋だらけにして、手垢で真っ黒になってしまうのだ。それではいかん。この本は、キチンと、この綺麗なままで、ガラスケースにでも丁重に飾っておくべき一冊なのである。むやみに触ってはいけない。

 そもそも、常に手元において参照したい、という私の目論見は、もろくも崩れてしまった。私はこれまで通り、図書館から、多少手垢のついた、箱なし、帯なし、の今までどおりの蔵書を借り出して活用することとしよう。あはは。煩悩はつきない。

 当面、私はこの書から読み出すべきは、名取熊野堂三社の詳細と、そして源頼朝が馬をつないだとされる柳生かやの木の薬師如来についての来歴である。前者についての情報はこの書に満載だが、後者については、推し量るべき資料がわずかにあるかもしれない、という程度である。

 そして目下のテーマは後者であるので、そこんとこは、とにかく、これから精読していく過程において、何事かが、少しづつ解き明かされていくだろう。

 著者を初めてとして、関係各位に感謝であります。m(__)m

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