「俳句と歩く」 宇多喜代子
「俳句と歩く」角川俳句ライブラリー
宇多 喜代子 (著) 2016/05 KADOKAWA/角川学芸出版 単行本: 285ページ
No.4240★★★★★
この方もテレビの俳句番組にて選者を務めておられる方である。俳句ばかりではなく、暮らしの中の風習なども教えてくれるし、番組中に漬物や煮物なども毎回登場し、イイ感じのばあちゃんだなぁ、と好感しきり。
この方、なんと1935(昭和10)年生まれである。 ええぇ? すでに八十路を超えておられる。もうおばあちゃんというより、ひいおばあちゃん世代である。この方の番組は、俳句番組の中では一番好きかも。
本書を読むと、俳句とはいうものの、人生、神羅万象、俳句に非ざるものなし、の勢いである。あまりにも世界が広がりすぎる。いたずらに俳句の世界などに踏む込むと、トンデモないことになりそうだな、と身が引き締まった。
部分部分で脇道に入り込んでいくと、この方の視点がなかなかに目が覚める。イイ感じというか、素晴らしいというか、なるほどというか、その視点が素晴らしいのである。だからこそ、おそらくいい俳句もたくさん作っていらっしゃるのだろう。
俳句の世界は恐れ多くて、簡単に踏み込んではいけないが、もう少し余裕ができたら、この本を再読することによって、俳句というより、人生を学ぶ良い機会になるはずだ。 俳句と歩く。まさに人生を俳句と一緒に歩いてこられた方だ。
冬山や闇深からず白き道 把不住
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