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2019/01/07

「うちのお寺は臨済宗」 (わが家の宗教を知るシリーズ) 藤井 正雄

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「うちのお寺は臨済宗」 (わが家の宗教を知るシリーズ)
藤井 正雄 1997/07 双葉社 単行本: 237ページ
No.4245

 新図書館(から借りだした)シリーズ8/10。「うちのお寺は曹洞宗」(1997/12)と同じシリーズの中の一冊だけに、まぁ、それなりだろうと、斜め読みの予定だった。それにうちのお寺は(元)曹洞宗だし、周囲を見ても臨済宗のお寺は少ない。同じ禅宗でも、ちょっとは距離があるだろう、という予感だった。

 ところが、開いてみると、同じ禅宗だけに、「曹洞宗」とだいぶダブっている部分もあるが、全体としてはなかなかに面白い。むしろ、重厚な学術的なんかより、この一見初心者用のようなオムニバス本のほうが、今私が知りたかったことが載っていたりする。ははは、私自身が初心者だ、という証明か(笑)。

 臨済宗には本山が14派あるという。はぁ。曹洞宗なら永平寺と総持寺の二寺ということになるが、それは父と母みたいな意味付けで仲良くやっているようだが、なんと臨済宗は14派であるという。なぜそうなったかなどの経緯などが書いてある。

 禅が初めて日本に伝えられたのは、653年に入唐して帰国、飛鳥の元興寺に禅院を立てて終日坐禅をしていたと「続日本記」にある、とのことである。p16 郡山遺跡にあった多重塔にはどんな仏教が伝わっていたのだろう、という疑問はずっと続いているが、すくなくとも同時代には禅が日本に伝わっていたことが分かった。p13

 馬祖系の法脈が臨済宗と言われるようになり、石頭系の法脈が曹洞宗と言われるようになったことも、この本において次第に明瞭になってきた。必ずしも明確ではないし、明確にする必要もないのだが、めりはりよく理解するには、便宜上これでいいのだろう。p25

 これまで当ブログでは雲居希膺のことは、うん「ご」きよう、と読んできたが、この本においては、うん「きょ」きよう、と読んでいる。p34 居は「ご」なのか「きょ」なのか、いずれが正解なのか、いまここでは結論を出さないでおこう。すくなくとも、立場によっては、誤読や、二論併記がありうるのだ、ということに気がついた。

 しかも、その雲居希膺は、改革運動派(正法復興運動)に加担していたことも、この本によって初めて知った。p34

 その他あれこれ、雑多な記事のなかに、おお、と納得するような一行があったりする。これはゲットだな。検索したら、けっこう安値で中古本がでている。我が書棚にも一冊常備することにした。

 そこで考えた。最近私が好きなテレビ番組は、大河ドラマのようなストーリーものよりも、「植物男子ベランダー」とか「京都人の密かな愉しみ」のようなオムニバス番組が好きなのだが、どうやらこれからの本選びも、そのような企画ものがいいかもしれない。しかも、画像がたっぷり、下世話な「誤読」もたっぷり含まれているような、お茶目な本(笑)。

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