「WIRED VOL.31」「ニューエコノミー」ぼくらは地球をこうアップデートする
「WIRED VOL.31」 「ニューエコノミー」ぼくらは地球をこうアップデートする
Condé Nast Japan (コンデナスト・ジャパン) (著), 2018/11/13 WIRED編集部 (編集) 出版社: プレジデント社 雑誌 218ページ
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No.4292★★★★★
この表紙をSNS広告で見た時にはドキッとした。そんなことはあるまい。これは何かのパロディか?
あきらかに、「WIRED VOL.01」 特集 OUR FUTURE テクノロジーはぼくらを幸せにしているか?(2011/06)を下敷きにしている。なんじゃ、こりゃ? そう思ったのも仕方ない。「WIRED」は、一年前に休刊したばかりではないか。
「WIRED VOL.30」 / 特集「Identity デジタル時代のダイヴァーシティ 〈わたし〉の未来」(2017/12)で、「惜しまれながら」、散っていったはずではないか。そして、長く編集長を務めていた若林恵は「さよなら未来」なんて、最後っ屁をひって去っていったばかりではないか。
「さよなら未来」(ディターズ・クロニクル 2010-2017(若林 恵 2018/04 岩波書店)。はっきり言って、あまり面白くなかった。内容というより、読んでいるこちらの気分がね。去っていった男のクダクダしい話は、もうどうでもいいな、と思って、あまり詳しくは読まなかった。
家入一真「さよならインターネット」 まもなく消えるその「輪郭」について(2016/08 中央公論新社)よりは面白かったけど、武邑光裕「さよなら、インターネット」 GDPRはネットとデータをどう変えるのか(2018/06 ダイヤモンド社)などとの、関係は、今後どうなる?
はてさて、今度は、「ぼくらは地球をこうアップデートする」である。この号、よくよく見ると出版社がプレジデント社に変わっている。もともと身元がはっきりしない雑誌ではあるが、こうも放浪されると、読むほうとしては、よくわからんぞ~、ということになる。
価格も倍になり、判型も変わった。はてさて、今後はどうなるのか。リブート号とはいうものの、今後も続刊していくのだろうか? 月刊? 隔月刊? 季刊? それすらわからない。こんな訳の分からない雑誌など、本来相手にしていてはいけない。その論説自体が、すでにいい加減なものになっているのではないか。
もともとアメリカの雑誌本体のほうはしっかりしているのだが、どうも日本語版に安定感がない。ケヴィン・ケリー「<インターネット>の次に来るもの」 未来を決める12の法則 (2016/07 NHK出版)などは説得力があり、すぐには納得はできないし、共感できない部分もあるが、まずは「説得されて」みようかな、という魅力はあるのだ。当ブログの一つの指針でもある。
今回、この「WIRED」リブート号も本来は★3つくらいにしておきたいところだが、いろいろな負の話題性も含めたうえでのレインボー評価としておく。ケヴィン・ケリーも登場していて、次のような記述もある。
ぼくはブロックチェーンが革命的だとは思わないんだ。もっとディスラプティブなもの、例えば人工知能、あるいは人口現実と比べたって、そこまでとは言えない。ケヴィン・ケリーp050
当ブログでも一時、先駆的にブロックチェーンや仮想通貨を追っかけてみたが、無視しないまでも、自分のテーマじゃないなぁ、と思う。この号のサブタイトルも「ニューエコノミー」となっている。これもまた、無視はしないまでも、主テーマじゃない、と感じる。
つまり、IDEA-INNVATIONSの標語を持つこの雑誌ではあるが、テクノロジーについては、やはり当ブログとしては追っかけ力もないし、主テーマじゃないので、いずれフェードアウトしてしまう危険性が高い。
話題としては面白いし、現代人としては、一応の一般的な理解力はつけておきたい。だけど、もっともっと大事なテーマがあるのではないか? そんなことを感じながら、まずはもう少し、この雑誌の行方を見つめていることとする。(未練かなぁ・・・・・・・)
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