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2018/11/30

「大拙」 安藤 礼二

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「大拙」
安藤 礼二 (著) 2018/10 講談社 単行本: 354ページ
No.4295★ 

 
この方の名前は当ブログにおいても何度か登場している。たしか村上春樹についてのオムニバス本ではなかった。ググってみると、
「村上春樹『1Q84』をどう読むか」安藤 礼二他2009/07河出書房新社編集部/編

「徹底解明 村上春樹1Q84」「群像」 2009年 08月号
 講談社
ニーチェ入門」 悦ばしき哲学 2010/06 河出書房新社
などであり、1967年生まれの文芸評論家にして美大の教授が、なぜに鈴木大拙を一冊ものしたかの、必然性がいまいちわからない。

 結局は後記でわかるように、10年前に「鈴木大拙」 没後40年松ヶ岡文庫編(2006/05 河出書房新社)の編集に関わったことが機縁のようで、確かにこの方の名前も記されている。その後、雑誌「群像」に書いたものを加筆編集して、この度一冊として出版された、ということであるようである。

 この本はなかなかに面白い。すでにほぼ大略が決まってしまった当ブログ2018年後記の新刊ベスト10の、ベストスリーの一角に食い込んでくるくらいの勢いのある一冊である。実際は★5くらいかな、と思ったが、新刊本と当ブログの関心が、時期的に一致するということは少ないので、そのタイミング賞ともいうべき特別枠で、レインボー評価としておく。

 それにしても、なぜこの時期にD・T・スズキなのか。それはこの著者にしても言えるし、当ブログにも言える。これまでにない関心が、このZEN者に視線が集まってしまうのは、当然、この時期におけるZEN「ブーム」を背景にしているからである。

 何度目かのOSHOの「禅宣言」読書完了の直後にこの本を読むのはちょっと辛いのだが、あれこれあちこちの本箱をぶちまけたような展開は、一度眠りかけたこちらのマインドを、またまた刺激してくるような、ちょっと好ましからざるスタイルである。

 それでもなお、いままでのステロタイプの大拙像を、ぶち壊し、再構築してみよう、という試みは快感が伴わないでもない。西田幾太郎やビストリア夫人とのからみは当然として、スエデンボルグやマイスター・エックハルト、神智学協会や、ブラバッキーやクリシュナムルティ、今東光の父・今武平や民芸の柳宗悦、南方熊楠あたりまで登場させるに至っては、あまりにも守備範囲を広げ過ぎではないか、と失笑したくもなる。

 老荘や禅文献に触れるあたりは当然としても、スピノザあたりまで登場するに至っては、ふむふむ、これって、我がブログの散漫と相図形を成しているのではないか、と納得。これは、いずれ時間を取って、精読して、付き合わせてみなければ・・・。

 なにはともあれ、面白かった。長生きはするもんじゃ。

つづく

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