「オイゲン・ヘリゲル小伝」 弓道による禅の追求 池沢幹彦
「オイゲン・ヘリゲル小伝」 弓道による禅の追求
池沢 幹彦 (著) 2018/04 東北大学出版会 単行本: 111ページ
No.4286★★★★★
「弓聖 阿波研造」池沢幹彦 2013/08 東北大学出版会、「阿波研造―大いなる射の道の教」 桜井保之助 1981/03 阿波研造先生生誕百年祭実行委員会、の二冊を読めば、「新訳 弓と禅」オイゲン・ヘリゲル 魚住 孝至 2015/12、の意味も違って読めてくる。
さて、ヘルゲルがドイツに帰国後ナチ党員になったというくだりが気になっていたので、この本を探ってみた。
1937年にはヘリゲルはナチ党員となり、38年にはエアラゲン大学の副学長、44年からは学長に就任して、大学管理の職務に励んだ。p75「第三章 帰国後のヘリゲル」
この時代のドイツの情勢を考えれば、このような流れになることも仕方なかったのか。
敗戦後に行われたナチ党員としてのヘリゲルの断罪と弁明の顛末については、山田奨治教授の詳しい調査報告がある。弁明書を提出したヘリゲルは、裁判の結果1948年に、「消極的な同調者」と裁定された。p76 同上
その詳しい調査というのは「禅という名の日本丸」(山田奨治 2005 大修館)。図書館に入っているので、近日中に目を通してみよう。
この本、割と小品だし、内容も他所と重なるところも多いが、この本が、本年、2018年にでているところは注目点である。近年になっても、「弓と禅」はいまだに今日的な話題なのである。いや、今日になったからこそ、さらに検証が必要になっているということか。
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