「超訳 武士道」―グローバル時代の教養を英語と日本語で学ぶ 松本 道弘
「超訳 武士道」―グローバル時代の教養を英語と日本語で学ぶ
松本 道弘 (著) 2016/03 出版社: プレジデント社 単行本(ソフトカバー): 192ページ
No.4275★★★★☆
「スター・ウォーズ 禅の教え」(枡野俊明 2015/12 KADOKAWA)のような面白さがあるかな、と最初は期待したが、画像が含まれていない分、途中から興味が半減した。
武士道は、結局、儒教→朱子学→陽明学の影響をつよく受けているという実体があり、一人の現代人としては、最初から違和感が漂ってしまうのは仕方ない。
こちらは老荘思想を受け継ぐOSHOゾルバ・ザ・ブッダの人間像を掲げているので、どうしても武士道や侍では、そりが合わな過ぎる。
著者は英語通訳等に長く関わる人(1940生まれ)なので、武士道を短いアフォリズムにして、それを英語人にわかりやすく対訳しているので、実際にその必要に迫られる人には、役にたつだろう。
禅もそうだが、武士道も、ある意味アナクロなのである。ヘタな伝統に覆いかぶさるべきではない。当ブログでは禅をZENと表現するのを常套とするが、武士道もまた、濾過された形で、そして日本文化理解にとどめるためには、著者のいうネオ武士道を誕生させるのも悪くあるまい。
この道に奔走している人たちも少なからなずおられるだろうから、多言は無用だが、とにかく、会社人やビジネスマン、さらには英語人とかかわるグローバル人材には、この書が益する場面もあるに違いない。
されど、ゾルバ・ザ・ブッダを掲げるOSHOサニヤシンには、やはりどうしてもとっつきにくい人間観である。
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