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2018/09/28

「女表具師 技術泥棒攻防記」 尾形璋子

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「女表具師 技術泥棒攻防記」
尾形 璋子   (著) 2002/01 出版社: 朱鳥社 単行本: 128ページ
No.4255★★★★☆

 内幕暴露的なぶっちゃけ本ではあるが、正統な教則本ではわからないような技術も書いてあり、場合によっては多いに役立つ本。少なくとも私は、この本に書いてあった、ハガキを裏表二枚にはがす技術を学ぶことができた。なるほどなぁ。

 この本に集録されている「表彰屋」という文章はなかなかの洒落た文章だが、ネット上の読者の感想文では、盗作ではないか、という疑問が呈されている。泥棒攻防記なるタイトルを持つ一冊とは言え、職人として技術を盗むのと、名前がある人の文章を盗むのでは、おのずと倫理観が問われることになる。真偽のほどは、今のところ、私にはわからない。

 私が、ずっと表具について考えていたのは、他ならぬ表具屋さんが、いつも行くスーパーの向いに小さな看板を上げているからである。普通のしもうたや風の一般住宅なのだが、なんか気になっていた。昔は表具屋なんて、あちこちにあったような気もするが、最近見かけているのは、この一軒だけだ。

 障子張りやフスマ張りなら、自分でもできるが、表具や表装、掛け軸づくりや修復など、まずはできない。そもそも、どれだけの料金を取られるのか、わかったものではない。ましてや、自分や家族の作品が表装に値するのかどうか。それさえも定かではない。

 この本を読む限りは、技術にも様々あって、職人もピンからキリまで居そうだが、まずは技術が売り物の世界でもあり、伝統技術でもあり、また現代的なノウハウや嗜好性にも敏感でないと、務まらない世界のようである。

 この世界について書いてある本は初めてだったので、興味深く読んだ。

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