「日本人のこころの言葉 鈴木大拙」 竹村 牧男
「日本人のこころの言葉 鈴木大拙」
竹村 牧男 (著) 2018/06 創元社 単行本: 206ページ
No.4219★★★☆☆
日本の哲学者で世界にもっとも知られている人は、文句なしに鈴木大拙です。最近、西田幾多郎や道元もよく知られてきていますが、なんと言っても大拙自身が著したあまたの英文の本が欧米では広く読まれ、かつ深い感銘を与えてきました。p1「はじめに」
まさにこの「日本の哲学者」というところで、鈴木大拙を規定してしまっている。OSHOは大拙に対して、喝破する。
鈴木大拙は、<存在>に対する新しい見方をひっさげて西洋に現れた。彼が人々を惹きつけたのは、その偉大な学識、深い学識のためだった。そして彼は西洋のマインドに、まったく新しい宗教の概念をもたらした。ただ、それは概念にとどまり、知的な議論のままだった。けっしてそれ以上深くはいかなかった。OSHO「禅宣言」p30
哲学として、学者として、道を探究することは、むしろ当たり前のことであるが、それを極めるころには、哲学は落ち、学者はいなくなり、道は消える。老境に到った哲学者なら、有り余る教養が、雪崩のように漏れてきてしまうのはしかたないことだろう。
しかし、それは禅そのものとは無関係である。直指人心、見性成仏、不立文字、以心伝心、只管打坐の世界においては、学者も哲学も遠回りの迷いに過ぎなくなってしまう。
当ブログとしては、新刊コーナーにこの手の本があれば、すぐに何の疑問もなしに手が伸びるのであるが、当ブログの苦境を超えるには、この手の救いではもはや目も当てられない。むしろ、今や、この手の本が視野に入ってきたとしても、なんの心の動きもなく、さりげなく、立ち去る力量が求められる。
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