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2018/08/08

「禅とジブリ」 鈴木敏夫

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「禅とジブリ」
鈴木敏夫 (著) 2018/07 出版社: 淡交社 単行本(ソフトカバー): 224ページ
No.4218★★★★☆

 この本の評価を★五つにするか、レインボー評価にするか悩んだ。この本を★五つにしておくことは、ちょっと中途半端な気がした。レインボー評価は、ちょっとてらいすぎなような気がした。結局★四つにした。

 そこに出来た差異はなにか。本の出来ではない。この本と、読者としての私との関係の距離感から、いちばんふさわしい評価に思えたのが、★四つである。てらいもなく、中途半端でもない。ちょうどいい塩梅だ。

 正直、すでにこの本が手元に来て10日が過ぎた。読む気になるのだが、読めない。日常茶飯事のさまざまな要因が邪魔する。されど、一冊、本を読む時間など、作る気になれば、毎日だって作れる。だけど、読めない。

 禅は、まずいいだろう。ジブリに関しては、実は私はあまり深い思い入れがない。この本に登場する三人の僧侶も、割と私の感覚に似ているのではないか。この対談の企画が持ち上がってから、アニメを見た(見直した)、と三人が口をそろえている。もう対談が終われば、あとはジブリは必要ない、と言い切ってしまう横田南陵老師などは、まさにさばさばしたものだ。

 最初に登場する細川晋輔和尚(1979年生まれ)は、あの松原泰道和尚の孫にあたるという。なるほど、私からすれば、私の子ども世代だ。若い自分、20前後の頃、松原泰道氏の、「~~入門」シリーズをよく読んだ。覚えていないが、おそらく5~6冊シリーズででていたはずだ。大変お世話になった。あの頃、他に類書が少なかった。

 二人目の横田南嶺和尚は1964年生まれ、私のひと周り下の世代だ。三人目の玄侑宗久和尚は、まさに私の世代である(と言っても、彼のほうが二歳若い)。彼の本もそれなりに面白いし、そもそも、「把不住」で検索すると、玄侑宗久氏に直接つながっていくところが、また面白い。

 さて、その上のジブリ・プロデューサーの鈴木敏夫氏となると、1948年生まれ、私の上の兄貴世代であり、団塊の世代である。さらに、宮崎駿や高畑勲となると、さらにその上の世代である。形としては、老境の人々が、若い僧侶に道を尋ねている、という形になる。

 この辺あたりに、私はどうも違和感を感じるのであろう。つまり対談設定に無理を感じるのと、中心に位置する鈴木敏夫氏に感情移入ができないのだ。地味な本と、花のある本があるとするならば、この本は花のある本である。それを好む人には、この本は面白いに違いない。

 されど、私はこの手の本を読むときは、地味目の、うるさくない本が好きである。もっとシンプルで、簡単で、地味な奴が好みなのだ。端々にエピソードが満載で、その手の支線が好きな人には、大変興味深いだろう。

 好みから言えば、この鈴木流エピソードの支線が、どうも邪魔と感じる私には、この本は★3つか4つが妥当だと思わせる。今回は、締め切りが間近になり、返却せねばならず、急ぎ読みになってしまったが、いずれ再読するかもしれない。それでもやっぱり、評価はおおむね変わらないだろうな、と思う。

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